・・・永久に。

　・・・兄様の誕生日。
誕生日は、その生きた年月を祝いぷれぜんとを贈る。
兄様に贈った物は、一番使いやすい物を・・・。

　枢にとっての一番は、兄様。貴方だけ。
どれだけ月日が経ち、どれだけの離れていても、枢の基礎を構成し続ける。
貴方が選んでくれたから、枢は存在を許された。
貴方が与えてくれたから、枢は感じる術を得た。
貴方が在り続けてくれるから、枢には還る場所がある。

・・・だから、貴方の望む儘に。全ては貴方を求めるが故に・・・。

万物は、全て貴方の為に。
全ては、貴方の思う儘に。

・・・願うことは、一つだけ。

　・・・今日は、華恋の誕生日。
大切な貴方の為に、選んだ指輪。
どの指の大きさも、知っている。・・・知ってた上で、敢えて・・・この大きさを選ぶ。
・・・きっと、望む形では・・・無いとは、解っている。
それでも、細やかに、密やかに、思いを乗せて・・・。

　・・・橄欖石の意味や、ぴんきーりんぐの意味は、書かない。
ただ、そう在ればいいと、思う。

・・・矛盾した思いは、迷い故に・・・。

日緋色金の如く輝き
気まぐれに現れる四葉の白詰草

・・・糸遊のような。

　・・・今日は、武田の誕生日。
もう半年前になるけど、この学園に来て初めて向えた枢の誕生日にぷれぜんとをくれた。
だから、絶対に「贈ろう」と、決めていた。

　・・・迷惑になるかもしれないけど、何か恩返しがしたかった。
あの時の嬉しさを少しでも返せればと思ってる。
何が喜ぶかよく解らないから、使い慣れてる物をと思ってこれにした。
・・・出会った時とは少し感じが違うけど、本質は何も変わってないから・・・何時までも不規則な光で輝いてるから、あの石を選んだんだ。

山吹の目にも鮮やかな金の華
咲かし微睡みのうちに散らす舞姫

・・・仲間意識。

　・・・今日は、皆坂の誕生日。
先日、贈っても迷惑じゃないか茶室で確認して、贈る物は『これ』と決めていた。

　・・・枢もよくお世話になる物なので、ちょっと『これ』には煩い。
巻く上で、締め付けすぎるのはよくない。
傷口に直接触れるわけではないけど、長時間肌に触れてる物。肌触りの感触はとても大事。
傷からは必ずあの匂い。人によっては不愉快な匂いだから、微かに香るあの果物の匂いで和らげる。

深紅を内に秘める石榴
円熟の美と魔性の香主

・・・区切り。

　・・・今日は、黒鋼と海の誕生日。
懐と相談しながら、買う物を決めて・・・相変わらず慣れない街での買い物。
・・・ばいと先に、色々と詳しい人がいて・・・相談に乗って貰った。

　・・・宝石も・・・おーだーめいども高い・・・（呟。
　・・・あの宝石は、当たる光の場所によって色が変わるので・・・一目でいいなっと思った。
・・・て、天然石は・・・無理だけど、用意出来て良かった。
天然石は、金剛石と同じ位の値段がするから・・・（遠い目。
　手の大きさを覚える位に、親しくして貰って・・・結局ちゃんと恩返しも出来ない不甲斐ない己が嫌で・・・またアレをしてしまったけど・・・直さないとな、この癖・・・。

暗緑色の従者の主
火のような寡君

人々の悪意の的、絶対悪でいなければいけない
それはどんなに辛いことなんだろう
きっと望んでなったものでは、ないのだろうと思う