・・・枢のこと・・・。
・・・話したいことが、いっぱいあるから・・・。
溢れる想いは、どうすれば・・・収まるのだろう
溢れる想いは、どうすれば・・・収まるのだろう
・・・互いの姿は月日が止まったように、何も変わらない。
だからこそ、何もないようには振舞えない・・・。
だからこそ、何もないようには振舞えない・・・。
「―色々あって随分と会ってなかったので元気でしたか?」
・・・頭の中が、真っ白になった・・・。
時久様は、枢に何か仰ってたけど・・・枢の耳には何一つ届いてこなかった。
微笑みながら枢の頭を撫でる手は、あの頃と寸分も変わっていない。
・・・・・胸の奥がぎゅっと痛くなった・・・。
足が震えて、立っていれる自信がなくなった。
目頭が熱くなって・・・溢れてきそうになるのを我慢してた。
気がついたら、枢はその場から逃げるように立ち去っていた。
何処へ向かうわけでもなく、ただただ闇雲に走り続けた。
胸が裂ける位、肩で息をしながらゆっくりと、鉛のように重くなっていく足を引きずって辿り着いたのは、寂れた小さな神社だった。
人の気配はなく、そのままふらふらと神社の裏手に回って、倒れこむように背を預けた。
そのまま頭を抱え込むように膝を抱え、声を殺すように何度かしゃくり上げた。
嗚咽を漏らすと、喉を這い上がってくる声を・・・もう殺すことは出来なかったから・・・。
・・・・何故、涙が出るのか解らないし・・・なんで泣いてるのか、枢自身も解らない・・・・。
・・・・・堪えられない、ただそう思っただけ・・・・。
・・・苛立ちと、不甲斐なさと、寂しさと、安心感と、恋しさが・・・入り混じって止まらなくて・・・
だから、抱きしめられてることに気づくのに、時間がかかった。
「…泣き虫ですね、相変わらず…」
顔を上げるとあの方がいた。
笑顔なのに、何故か人の喰ったような不適に見える笑みを浮かべ、よしよしとその手が枢の頭を撫でる。
「・・・っと、時久様・・・・っ!?」
嗚咽交じりに上げた声が裏返りそうになってた。
「もう”様”をつけないでもいいと、学園で教わりませんでしたか?」
現代は全ての人は平等だと、教わった。
でも枢は、それがどうしても理解できなくって、それが時久様だと尚更で・・・。
その行為が意味をなさないのは解っていたけど首を左右に振った。
「…困った子ですね。 枢は何時からそんなに物分りの悪い子になったのですか。」
時久様の顔が近づいて、枢の左目から流れる涙をそっと舐め上げた。
胸の奥がドキンと高鳴った。顔が火照っていくのがはっきり自覚できた。
さっきまであったあの気持ちが、跡形もなく違うもので塗り潰されていくようだった。
「・・・・と、と・・・時久様・・・・っ・・・」
時久様の腕の中で暴れようとすると、時久様は腕に力を籠めて枢をしっかり胸に抱いた。
「枢、もう他人行儀は止めなさい。 お前は私のたった一人の肉親なんですから…」
「・・・・・・・」俯き言葉が出てこない。
「それとも枢は、私を兄とは認めてくれないですか?」
その言葉に反射的に首を左右に振って、違うと反応してしまった。
でも次の言葉が出てこない・・・。
「…では、私を兄と認めてくれるですね。」
優しく耳元で囁くように紡がれる言葉に、素直に頷く。
抱きしめられている手に、温かく柔らかな力が篭り・・・時久様の唇が額に触れ小さく言葉が零れた。
「…ただいま、枢…」
顔を上げ、見つめつと時久様と視線が絡んだ。そのまま・・・考えるより先に言葉が出た。
「・・・・・おかえりなさい・・・兄様・・・・」
膝を抱いていた手が兄様の背に回り、甘えるように首筋に顔を埋めようとした・・・矢先、兄様は枢の唇を塞いだ。
解らないけど、また涙が溢れた。
もう意味なんて関係ない、と・・・それだけは確信できた。
「…泣き虫な、守護者ですね…」
唇を伝わる振動は、確かにそう呟いた。
唇を伝わる振動は、確かにそう呟いた。
《背後の人の悪あがき》
まず、キャラクターをお貸し頂いた閂・時久(b34294)様の背後様有難う御座います。
好き勝手使っていいと、口走ってしまったことを今更後悔してるとか言わないで下さい。
こちらは楽しく書けました。
内容は、「本能のままよ!!」って感じに書いてますので微妙に砂が吐ける内容です。
エロィって褒められて(?)ましたが、何故か微妙に嬉しくないのは仕様でしょうか?w
改めまして、ここまで読んで頂き本当に有難う御座いました。
奇特にも、ぎs…書かれたいと思われる方は、お手紙を枢宛てに頂けると喜んで書くと思われます。
ただ、キャラのイメージを優先させる為、メッセ等で打ち合わせ等することになるかもしれないことも考慮に入れて頂けると助かります。
キャラを貸して下さった時久様の背後様、読んで下さった皆様、有難う御座いました。
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プロフィール
HN:
閂 枢
性別:
女性
自己紹介:
鋏角衆×白燐蟲使い
[外見]
右目を前髪で隠し、赤眼。
青白い銀髪をショートカットに切り揃えてある。―が、うなじから少量だが尻尾のように一房だけ(毛先は膝位まで有)束ねてある。
体型は華奢だが意外にグラマー(着痩するタイプ)
右耳に菫青石のピアス、左薬指にシンプルな指輪を着用。
===========================
この作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する
『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権は作品を発注したお客様に、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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[外見]
右目を前髪で隠し、赤眼。
青白い銀髪をショートカットに切り揃えてある。―が、うなじから少量だが尻尾のように一房だけ(毛先は膝位まで有)束ねてある。
体型は華奢だが意外にグラマー(着痩するタイプ)
右耳に菫青石のピアス、左薬指にシンプルな指輪を着用。
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『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
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感情
『入学理由:土蜘蛛戦争の結果、~』本業のみ
同族=同僚
土蜘蛛の巫女=お得意様
『入学理由:土蜘蛛戦争の結果、~』以外
上記以外の能力者=顔見知り
依頼参加者=冒険仲間
黙示録同行者=戦友
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