・・・枢のこと・・・。
・・・・(ぺこり。
知りたくないかもしれないけど、枢のこと少し書く・・・。
知りたくないかもしれないけど、枢のこと少し書く・・・。
・・・封印される前のこと。
枢は、土蜘蛛の世界でもそれなりに多くの土蜘蛛を輩出し、名門とされた閂家で生まれた。
土蜘蛛は、人を餌にしてるからか容姿端麗な者が多く、閂家もその例に漏れず端麗な者が多かった。
ただ枢は、それと違った。
容姿は確かに例外に漏れず確かに人の目を引く外見をしていた。
―が、どういうわけか『鋏角衆』として成長を遂げてしまった。
兄達は立派な土蜘蛛となったが、同じ環境下で育てられた枢だけが出来損ないの鋏角衆となった。
これは閂家として、恥であり汚点であった。
それから枢の世界は一転した。
父は出来損ないの娘と一切の縁を切るように避け、母は娘に一切の愛情をかけず穢れた者を見るように辛く当たった。
そして自分が妹と口外することなく兄達の世話を「従者の如くせよ」と、命じたのだ。
枢はその言葉に従い、「外見は一人前の土蜘蛛」と周りの暴言も、兄の横暴と思える命令も全て受け入れ盲目に兄達に従い続けた。
そうすれば両親は自分のことを見てくれると、信じていたから…。
しかし、愛情など掛けられることはなかった。
「…お前は今の生活不満はないですか?」
末の兄が、そう問うてきた時も「・・・自分の役目ですから」と短く答えた。
末に兄は無茶な言いつけが多く、暴力は振るわないものの嫌がらせかと思う注文も多く、明らかに物として扱われていた。
何処か達観とした所が他の兄達の気に障るのか、お世辞にも仲がいいとは言えず、絶えず仲違いを繰り返していた。
この時もそうだった。
些細な言い争いが、刃物を持ち込んだ争い発展した際、非は明らかに末の兄あったのだが、枢は身を挺してこの兄を庇った。
「この場は、枢の右目でお納め下さい。」
庇った際、枢の右目は綺麗に裂かれていた。
その目を開け、上の兄に刃物を収めることを懇願した。
「―――興が醒めた。」と、吐き捨てるようにいい上の兄はその場から居なくなった。
「お前は、馬鹿なのか。 何故私を庇ったりしたんだ?」
「・・・時久様に、傷をつけるわけには・・・いきません。」
末の兄はその言葉に呆気を取られ、周りの者に枢の眼の治療を頼みその場を去った。
早い治療のお陰か、元来の回復力か、枢の顔に傷は残ることなく、瞳は視力は失われたものの目の復元はできた。
その頃から、末の兄の態度が変わったのだ。
他の兄を全く相手にせず、ただただ枢だけを傍に置き、自分の面倒を見させた。
まるで、自分以外の誰も枢の傍に寄せないように…。
「…枢、お前は私から離れてはいけないですよ。土蜘蛛を護りたいのでしょう?」
初めて物としてではなく、個として必要とされ、自分の役割を理解してくれた末の兄を尊敬し、この人の為なら死んでもいいと思った。
例え、自分が実の妹だと言うことを知らなくても。
しかし、幸福な時間は長くは続きはしなかった。
あんなに自分の存在を疎ましく、消し去ってしまいと思っている父が、とても大事な仕事を枢に任したのだ。
数日屋敷を空けたねばならなかったが、父の期待に答えたかった。
そして戻った枢に絶望的な一報を知った。
末の兄は死んだ―――と。
自分が数日空けて間に、敵対している来訪者の手によって殺されたんだと聞いた。
他の兄達も重症を負う怪我をし、床に伏せていると…。
枢は、自分の不甲斐なさを呪った。
もう少し早く、早く帰っていたらあの方を殺されるなどと言うことはなかったのに…と。
その暫くの後、枢は大規模な巣の護衛兵になることを自らの意思で選んだ。
土蜘蛛は、人を餌にしてるからか容姿端麗な者が多く、閂家もその例に漏れず端麗な者が多かった。
ただ枢は、それと違った。
容姿は確かに例外に漏れず確かに人の目を引く外見をしていた。
―が、どういうわけか『鋏角衆』として成長を遂げてしまった。
兄達は立派な土蜘蛛となったが、同じ環境下で育てられた枢だけが出来損ないの鋏角衆となった。
これは閂家として、恥であり汚点であった。
それから枢の世界は一転した。
父は出来損ないの娘と一切の縁を切るように避け、母は娘に一切の愛情をかけず穢れた者を見るように辛く当たった。
そして自分が妹と口外することなく兄達の世話を「従者の如くせよ」と、命じたのだ。
枢はその言葉に従い、「外見は一人前の土蜘蛛」と周りの暴言も、兄の横暴と思える命令も全て受け入れ盲目に兄達に従い続けた。
そうすれば両親は自分のことを見てくれると、信じていたから…。
しかし、愛情など掛けられることはなかった。
「…お前は今の生活不満はないですか?」
末の兄が、そう問うてきた時も「・・・自分の役目ですから」と短く答えた。
末に兄は無茶な言いつけが多く、暴力は振るわないものの嫌がらせかと思う注文も多く、明らかに物として扱われていた。
何処か達観とした所が他の兄達の気に障るのか、お世辞にも仲がいいとは言えず、絶えず仲違いを繰り返していた。
この時もそうだった。
些細な言い争いが、刃物を持ち込んだ争い発展した際、非は明らかに末の兄あったのだが、枢は身を挺してこの兄を庇った。
「この場は、枢の右目でお納め下さい。」
庇った際、枢の右目は綺麗に裂かれていた。
その目を開け、上の兄に刃物を収めることを懇願した。
「―――興が醒めた。」と、吐き捨てるようにいい上の兄はその場から居なくなった。
「お前は、馬鹿なのか。 何故私を庇ったりしたんだ?」
「・・・時久様に、傷をつけるわけには・・・いきません。」
末の兄はその言葉に呆気を取られ、周りの者に枢の眼の治療を頼みその場を去った。
早い治療のお陰か、元来の回復力か、枢の顔に傷は残ることなく、瞳は視力は失われたものの目の復元はできた。
その頃から、末の兄の態度が変わったのだ。
他の兄を全く相手にせず、ただただ枢だけを傍に置き、自分の面倒を見させた。
まるで、自分以外の誰も枢の傍に寄せないように…。
「…枢、お前は私から離れてはいけないですよ。土蜘蛛を護りたいのでしょう?」
初めて物としてではなく、個として必要とされ、自分の役割を理解してくれた末の兄を尊敬し、この人の為なら死んでもいいと思った。
例え、自分が実の妹だと言うことを知らなくても。
しかし、幸福な時間は長くは続きはしなかった。
あんなに自分の存在を疎ましく、消し去ってしまいと思っている父が、とても大事な仕事を枢に任したのだ。
数日屋敷を空けたねばならなかったが、父の期待に答えたかった。
そして戻った枢に絶望的な一報を知った。
末の兄は死んだ―――と。
自分が数日空けて間に、敵対している来訪者の手によって殺されたんだと聞いた。
他の兄達も重症を負う怪我をし、床に伏せていると…。
枢は、自分の不甲斐なさを呪った。
もう少し早く、早く帰っていたらあの方を殺されるなどと言うことはなかったのに…と。
その暫くの後、枢は大規模な巣の護衛兵になることを自らの意思で選んだ。
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プロフィール
HN:
閂 枢
性別:
女性
自己紹介:
鋏角衆×白燐蟲使い
[外見]
右目を前髪で隠し、赤眼。
青白い銀髪をショートカットに切り揃えてある。―が、うなじから少量だが尻尾のように一房だけ(毛先は膝位まで有)束ねてある。
体型は華奢だが意外にグラマー(着痩するタイプ)
右耳に菫青石のピアス、左薬指にシンプルな指輪を着用。
===========================
この作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する
『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権は作品を発注したお客様に、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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[外見]
右目を前髪で隠し、赤眼。
青白い銀髪をショートカットに切り揃えてある。―が、うなじから少量だが尻尾のように一房だけ(毛先は膝位まで有)束ねてある。
体型は華奢だが意外にグラマー(着痩するタイプ)
右耳に菫青石のピアス、左薬指にシンプルな指輪を着用。
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『シルバーレイン』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
イラストの使用権は作品を発注したお客様に、著作権は各絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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感情
『入学理由:土蜘蛛戦争の結果、~』本業のみ
同族=同僚
土蜘蛛の巫女=お得意様
『入学理由:土蜘蛛戦争の結果、~』以外
上記以外の能力者=顔見知り
依頼参加者=冒険仲間
黙示録同行者=戦友
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