・・・枢と枢。

　…目を開けると枢が居た。
ただ枢であって、枢ではない。

―――枢は、黒髪、橙色の瞳
―――枢は、白髪、赤色の瞳

―――………今は、二つで一つの枢。

　…枢は、2ヶ月前から現代に目覚めて―――否。
生まれてからの記憶が全く無くなった。

　…己が何者なのか解らなくなった。
正しくは、知識は有る。
その知識同士を繋ぐ想い出が無い。
知識としての記憶と想い出でとしての記憶が全く繋がらない。


―だから、己が何者なのか解らない。
解っている事実を繋げ、己を作り上げた。
…結果、出来上がったのは、真っ黒な髪を持ち橙色の瞳の枢。
従者として特化し、己の価値を、存在を、主の為だけの物とし、尽くし、護る為だけの存在。
従者である為に不要な物を捨てた。

尽くす
従属する
主の幸せだけを求める
己の欲を捨てる

　…捨てた思い。捨てた情。不要な感情。不要な気持ち。
行き場の無くなった溜っていくそれらが、形になった。
…結果、出来上がったのは、真っ白な髪を持ち赤色の瞳の枢。
ただこの枢は、檻の中に居た。
決して外に出ないように。面に表れないように。
閉じ込め封じた不要を全て受け持った枢の居場所は枢の内。

好き
共に在りたい
傍に居たい
愛されたい

…決して入れ替わるはずの無い枢。
入れ替わっていけない精神。

だから、接触を嫌悪する。
だから、好意を拒絶する。

　　―　矛盾　―　　　　.

だから、常に接触を欲する。
だから、常に好意を欲する。


鍵はたった一つ。
檻の中は、どちらのとぼそ？

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・・・ぱそこんで戦争。

　・・・先週の木曜日だったかな、発覚してから始まったねっとげーむに魂を取り込まれた人を救うっていう戦い。
枢にとっては身体を動かす方が楽だし、正直ぱそこんって箱で何をすればいいのか良く解らなかった。
　・・・でも、枢は運がいいのか・・・刻鳴館って結社にはそういうのが得意な人が居て、全く解らない枢に色々教えてくれた。
特に玄慧は、嬉々として教えてくれたし・・・後からきっと何か無理難題を言われるんだろうな・・・と少し覚悟はしておく（汗。

　・・・2週間連続での戦争。・・・ぱそこんで行う架空の戦争だけど、このげーむをやってる人の命がかかってるのは確かで、その為に修学旅行までの時間は、巣作りをして・・・その中で廃狩りっていうのをしてた。
人間には不眠不休でぷれいすることは出来ないから、これが来訪者の特権というやつだと、羨ましがられた。・・・誰が羨ましがってたかは、敢えて言わないけど・・・（汗。
沖縄への修学旅行があって、帰って着て早々にまたぱそこんに向かった。
・・・正直、予定としてはかなり無理があると思った（汗。

　・・・最初の戦争が終わって直ぐに次の戦場のまっぷ公開と、今の1次職ではまずくりあーは無理らしいので2次職、3次職へ転職の為にれべる・・・と、色々やらないといけないこと一杯だった。
枢は巣の中でだけど、刻鳴館の人達は休憩を取りながら狩りをしていて慣れない分・・・迷惑かけたと思う。
その甲斐あってか、成功者無しと言われたくえすとを成功させれた。
目がしばしばして、肩が凝って・・・出来ればもう同じことはしたくないな・・・（凹。
・・・やっぱり身体動かす方が、枢は楽だと心底思う。

　・・・終わってから、玄慧におふ会に行こうと誘われた。
なんか袋渡されたけど・・厭な予感がしてならない（汗。
こういう笑顔の玄慧は何時もよからぬ事を考えてるから・・・

・・・また変な物、着せられないといいな・・・（呟

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・・・今年も。

　・・・この季節は、出費が痛い（背後談）・・・少し暑いのが苦手で、泳げない枢にとっては少し辛い。
学園祭の日にちも決まって、あるいべんともあるのが確定した。
去年もなんだかんだ言って参加した『あの』のいべんと。
　てすと明けの15日からそのりくえすと受付が始まって、参加する予定で何時もお世話になってる絵師様にお願いしてみた。

　・・・結果は今年はちゃんという。誤魔化さないから（あせあせ。
希望通りの絵師様に受理されたので、今年も・・・着る。着るの！！（赤面。
今年の水着は、とある方（ある意味ばればれ感が拭えないのは何故だろう（遠い目）・・・が、一緒に選んでくれたので・・・恥ずかしいけど、少し愉しみ（照。
　・・・去年よりは、色々凝ったつもりです（汗。
気に入ってもらえるかな・・・（悩。

・・・修学旅行。

　・・・去年、兄様や一視が行った。

戦争がついで？　戦争のついで？

　・・・良く覚えてない。
ただあの時は、ただ出来ることをしたとしか・・・今となっては覚えてない。
護ったという認識。
曖昧で明確な形ではなかったけど、ただ護りたいという意思で動いたような気がした。

　・・・それで今年は枢の番。
枢の学年は沖縄に行くらしい。
すけじゅーる表を貰って予定を確認したけど、・・・どうしようと頭を抱えた。
　正直に言うと、枢はあれだけ教えてもらっても未だにちゃんと泳げない（凹。
・・・何故か解らない。枢は決して運動神経というのが悪い訳でもない。寧ろいい方だと思うし、それだけが出来ないというのは・・・多分、相性が悪いとしかいえない・・・（遠い目。
自由時間が意外に多いのだけど、学校には必要最低限しか言ってないから一人での行動になると思う。
森林もあるみたいだし、そういう所を見にいこうかなって思ってる。
・・・1個だけ気になる所があって、そこには行くと思う。
泳げない枢でも、愉しめる場所。少しだけ海には入らず、海の中を体験できる場所。

その事を考えると鼓動が早くなった。
怖さからか、興味からかは解らない。
・・・・・・ただ、『見てみたい』と思った。

・・・狸。

　・・・全体依頼。
一視と師匠と一緒に受かった依頼。
・・・知ってる人がこんなに多いのは、初めてかもしれない。
枢の数少ない親しい方々なので、成功させたいな。

　・・・同じ古来からいる来訪者・・・に当るのかな？と、一戦交えるのは、色々理由があっても少し気が引ける。何故かはよく解らない。
　―――でも、受けたからにはしっかりと頑張りたいし、失敗はしたくない。
師匠に恥ずかしい姿を見せるのも、一視を護れないのも厭だから・・・。
多分これだけは、ずっと変わらない事実。

例え同族でも、その為なら迷わないと決めたのは、枢自身なのだから。