・・・皆既月蝕。

　・・・無くなっていた。
本当なら、再会なんて有り得ない。
・・・でも、あの方は枢の前に現れた。
現れるのも突然なら、去るのも突然。
・・・何時か訪れるのではないかと、頭の何処かで理解していた。
覚悟はしていたけど・・・やっぱり、辛い。

―只、あの時と違うのは永久の別れではないこと。
時間は掛かるけど、再び合間見える事が出来るから・・・

　・・・寮に帰ってない。
語弊があるが、ほぼ帰宅していない。
・・・日課が無くなり、やらねばならなかった事が、無くなってしまったせいも・・・あるのもしれない。
元々勝手に行なっていたし、頼まれたことでもないから・・・それ自体に抗議しようとは思わない。
・・・が、空いてしまった時間をどう過ごせばいいか・・・正直、解らない。

　・・・結果、依存している。
唯一の還る場所に、入り浸ってしまって・・・きっと、迷惑をかけてるかも、しれない。
疑問が不安を呼び、不安が胸の奥をちくちくと内側から責める。
・・・でも、あの言葉を聞くと・・・それすら無くなってしまう。
『依存』と言う甘美な毒薬は、今も尚・・・枢を堕落させている。
それを幸福を感じ、至福と認識し、それに歓喜する。

・・・己の役目を忘れてしまう位に・・・
・・・背を預けてしまう位に・・・
・・・無防備な姿を曝け出してしまう位に・・・

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・・・不特定多数→特定の個。

　・・・称号を変更した。
意味は、ある。

　今までは、目に付く全ての土蜘蛛様を護る。
だから『守護者』だった。
　でも、それは枢自身が行えないと判断した。
特定されたもの対してのみ行おうと、己が決めたから・・・。

その者の為の番。
その者の為の狗。
主を如何なる時も護り、主に仇なす全てのモノを駆除する。
忠義と牙をもって『番狗』。

　・・・何度も言うけど、枢は犬が嫌い。
その意思は変わらない。変えようとは思わない。
・・・苦手意識は、今更どうにかなるとは思えず・・・克服する機会も、それを行おうという意思も、今現在の枢には・・・ない（遠い目。
　・・・でも、犬を使った言葉が多いのも・・・事実。
忠と、猟を得意とする言葉に数多く・・・使われている。

　・・・加えて、枢は・・・極度に依存性の高い生き物だと、知った。
機会があったので、知れた・・・と、言う方が正しい（汗。
・・・薄々は、枢自身もそうではないかな・・・とは、思っていた。
別にそれを否定しようとは、思わない。
・・・変わらないし、否定たって・・・（遠い目。

　その・・・ある意味開き直った。
・・・うん、多分・・・これが一番あってる（汗。
だから、現在の称号に到る。
綺麗な言葉を幾ら並べても、似合わないので・・・枢らしくないし・・・（焦。
・・・いい機会だったから、変更しました。

―以上！（赤面脱兎。

≪　枢さんの愚痴　≫
　現在、色々あって軽くだけど、背後が『また』参ってるので・・・（遠い目。
・・・本当によく迷走する背後だ（凹。
少しだけ、枢の感情も迷走してる。
数日中に元に戻るよ。・・・確証は、全くないけど・・・。
・・・その・・・感情整理中だと思ってもらえると、嬉しいな・・・（項垂れ。

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・・・重み。

　・・・先の東北の土蜘蛛とリリスと狂人の戦争が、終わった。

　同族を倒すことに、躊躇いがないか・・・と、問われれば・・・きっと答えは『いいえ』。
・・・世界結界も、罪のない人間も、関係ない。全く、興味がない。
同じ土蜘蛛だから、出来ることなら手を掛けたいとは・・・思わない。
・・・枢の覚醒が、ほんの僅かでもずれていたなら・・・枢は確実に、向こう側のモノだったから・・・。
　―でも、あの方達に被害があるなら・・・答えは別だ。
枢の持ちえる全てをもって、全力で倒す。
・・・ただ、それだけ。

―護ると決めた。
その為の障害なら、例え同族でも『敵』。

　戦争には、対立、主張、それぞれの失くしたくないモノの張り合い。
その戦いの数だけ、理由なんか幾らでも存在する。
・・・そう、彼女は言った。
　酷く共感を覚えた。
だから、枢はあの戦いで銀誓館と戦ったのだと・・・。

　・・・では、身近な死に意味なんかあるのだろうか？（傾。
　枢にとってのかつて幸福な死は、『土蜘蛛様を守護し、その役目に殉じること』。
―今は、誓約の元にしない。出来ない。それは望まれない。

　この戦いで、沢山の死があった。
枢の所属する結社の土蜘蛛様もその中に居た。
　死に意味はあるかと聞かれれば、その者にしか解らない。
・・・理由は、憶測でしか知る術がない。
例え言われても、己以外の他者に同じ想いが伝わるかなんて・・・死んだ者は理解できない。
亡くなった者を思い、それぞれの記憶に残るのが死かもしれない。
でも、時間が経てば・・・風化するように無くなる。
ただ、失う痛みを知ってる者や、その者に一定以上の好意を持ってた者には傷になり、何時までも印のように残る。
・・・本当に伝えたい者に伝わるかなんて・・・そんなの観測出来ない。
きっと興味のない者とっての死なんか、なんの意味も持たない。
ただの自己満足。
そして、傷を残すだけ・・・。

　冷たく思われようと、この枢の考えが間違ってるとは思わない。
己がしたかった幸福な死は、確実にこれだから。
・・・ただの自己満足。
残された者のことなど考えず、己の信念の儘に進む。
ただの我侭でしかない。
　それ否定する要素なんか何処にもない。
結局、誰も止められなかったのだから。
踏み止まれる言葉も、者も存在しなかったのだから。

己の信念と他者への想い。
天秤に掛け、どちらが重たいのか
・・・ただ、それだけ・・・

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・・・あるがまま。

　・・・只今、戻りました・・・（ぺこり。
　・・・気にしてくれた人達に・・・ちゃんと言えればいいと、思う。
それが出来ないから、ここにこうして書いてる訳だけど・・・
・・・その、色んな人に『迷惑かけて心配かけた』と、思ってる。

・・・御免なさいと、有難う（ぺこり。
少しづつ、枢の歩みで元のようになると思うから
・・・それでも、赦してくれますか？（傾。

　・・・己の居場所なんか、小さくていい。
ただ、あるがままに受け入れてくれる、それが大事。
・・・何も無かったように、過ごせることが、本当はとても自然で・・・理想的な形なのだと思う。

　・・・でも、起こってしまったことは、取り返せない。
進んでしまった時は、取り戻すことは出来ない。
・・・後悔して、悔やんでも・・・同じ形に復元なんか出来ない。
過ぎ去った時を、やり直せないのと同じように・・・。

　・・・だから、少しでも・・・同じ過ちを繰り返さないように、覚えていくしかないんだと思う。
起こってしまったことや、起こることに・・・怯え不安を感じても、転んでも、挫けそうになっても、少しづつ前に進むしかない。
　・・・ボロボロになっても、傷だらけになっても、それが・・・『人と付き合って行くこと』なんだと、改めて・・・思った。

　・・・一人の時は何も考えなかったけど、今は、一人ではないから・・・
頼ることや、傍らにいることを覚え・・・それを甘んじてしまうと、一人で居ることに違和感を感じる。
　・・・とても弱くなる。
強くなれるとも言われたけど、枢は・・・前より弱くなったと思う。・・・いろんな意味で・・・。

・・・枢は、人に近づいたのだろうか・・・？
これが人間が抱く『心』と言うものなの？
・・・枢にも、それがあるってことなんだろうか・・・

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・・・解散。

　・・・枢は、現代をよく知らなく・・・結社の趣旨もよく解らなく・・・それでも、入れてくれた結社が【Ｐｕｒｅ×】だった。

　・・・黙示録に参加したかったのもあったし、規定のれべるも超えていたし、乙女って物が知りたかったから・・・入団届けを出した。

　・・・枢は、この形だから・・・あまり万人受けはしない。
性格も正直、友好的とは言いがたい。
　それでも、暖かく優しく迎えてくれたＰｕｒｅ×の皆には、凄く感謝してる。

　一番感謝してるのは、やっぱり空木団長。
忙しい合間に一生懸命結社を管理して、一人一人に凄く優しく温かく・・・面白い人。
色んな企画を立てて、結社IC作って、最後に打ち上げに行って、知らないこと一杯教えて貰った。

　この場所に集まった人は、綺麗で可愛くって、素敵な人ばかりだった。
あの場所が無くなってしまうことは、非常に残念だけど・・・それを決めるのは、空木団長で・・・一生懸命悩んで決めたことだから、それに口を出すことは間違っていることだし、咎めることは出来ない。
・・・あの場は、空木団長が居てこそ成り立っていたと、思うから・・・。


　あの温かい人達に、また何処かで出会えることを・・・切実に願う。
そして、空木団長。
・・・有難う、お疲れ様（ぺこり。

結社が解散されるその最後の時まで、
あの場所入れたことを嬉しく、
でも、少し残念で淋しいと思った日。

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